VPPとアプリ更新とモバイルデータ通信量

12/30/2021

Apple Business Manager Intune Microsoft 365 エンドポイント管理センター

 ユーザー用のApple ID 作成しないで、iPhoneを管理してみたで、Apple の VPP を使ってアプリを配信することにしました。管理が確実&ユーザーもラク。

確実にアプリのアップデートを展開できるのですが、データ通信量どうしよう、という新たな悩みが増えました。


Wi-Fiなくてもキッティングできた!

VPPで、Wi-Fi をオフにしてモバイルデータ通信下でもキッティングし、アプリのインストールも実施されました。携帯電話網につながっていればいつでもどこでもキッティングできますね。便利です。


ただ、理由はVPPのおかげではなく、後述のアプリインストール設定が「200MB以下の場合は確認」となっていたから、です。iOSのアップデートで、以前のように「Wi-Fiがないとインストールできない」より、できる幅が増えたのはありがたいです。


また、ユーザーがApple IDのパスワードを忘れる心配せず、確実にアプリアップデートを配信できるのは大きなメリットです。


Microsoft 365 系のアプリのファイルサイズは、結構大きい。

ですが、各アプリは結構なファイルサイズです。たとえば、Outlook for iPhone の281MBだとストアで表示されていました。2021年7月から12月の間に、22回もアップデートされています。Teamsも同様で、262.5MB、同期間で19回のアップデートでした。
(iOSかiPadかPCなどのデバイスから開くかで表示される値が異なるようです)


ただ、実際にOutlookをダウンロードしようとすると192MBと表示されましたので、通信量はこちらの値ですね。先の容量は、アプリインストール後のファイルサイズのようです。



ざっくり、アプリ1つ200MB、圧縮されてて70%程度になっているとして140MB、10個もアプリがあれば1.4GB。月に2回のアップデートがあるとして2.8GBのデータ通信量となる試算です。実際はすべてのアプリがこのサイズや頻度ではないのであくまで、ざっくりです。


VPPだとアップデートがあるたび通知が出ます。確実にアップデートが表示されるのがメリットではあるのですが、通信量の観点では悩ましいところです。

Wi-Fi使ってインストールされるなら良いのですが、モバイルデータ通信で繰り返されるとパケ死しそうです。


iOS15ではアプリが200MB超えていてもモバイルデータ通信下でインストールできる

iOS 15 では、200MBを超えているアプリであっても モバイルデータ通信下でインストールできます。

設定アプリ → App Store → App ダウンロード からこの3つの設定から選択できます。


最新のアプリを常に使わせるなら、「常に許可」としたいところですが通信量を考えると悩ましいところです。

ユーザーに案内して手動で、「常に確認」と設定してもらえば、多少なりとも通信量抑制になりますね。

 

Intuneのデバイス構成プロファイルで設定できないか

ただ、ユーザーが確実にこの設定を実施してくれるかというと、すべてのユーザーには期待が難しいところです。


なので、デバイス構成ポリシーで設定できないか、と探してみました。残念ながら、現時点ではみつけられませんでした。デバイス構成プロファイルで設定できれば一括で設定を配布できるのですが・・・残念。

Apple Configurator でカスタムプロファイルを作成すればできるかもしれませんが、エンドポイント管理センター上だけでは設定できないので、今回はパス。


どうしよう?

データ通信量を考慮するなら、当たり前ですがWi-Fi を使える環境を用意しておくことは、ほぼ必須ですね。そのうえで、


  • 確実に最新のアプリを使わせたい
    というのであれば、VPPは良い選択肢ですね。ユーザーが各自のApple ID のパスワードを覚えてくれているとも限りませんしその問い合わせ対応のコストを考えれば、VPPがベター。


  • そのうえでのモバイルデータ通信量抑制したいなら
    ユーザーにAppダウンロードは「常に確認」としておけば、確実に実施してくれるかどうかはともかく、モバイルデータ通信の通信量を抑えられそうです。


  • アプリ最新版配信よりも通信量が優先
    VPPではなくAppleIDでインストールし、iPhoneの設定で「Appのアップデートをオフ」とするか、AppStoreからサインアウトしてもらうのが良いでしょう。アプリ更新しないとサインインすらできなくなる場合もあるし、そんな問い合わせ対応リソース必要になりそうなので、ちょっと不安が残りそうです


まとめ

  • アプリアップデートを確実に配信するなら、Wi-Fi環境+VPPが手堅い
  • モバイルデータ通信の通信量を抑制したいなら、ユーザー作業入れたほうがいい

というところでしょうか。


余談:iOSアップデートやアプリダウンロードのコンテンツキャッシュを作成する

Wi-Fiでの利用であっても、台数が増えてくるとOSアップデートやアプリダウンロードがトラフィックを圧迫するシーンが出てきそうです。Macを1台かませて、コンテンツキャッシュを利用するとトラフィックを減らすことができるそうです。


関連

App のダウンロード時に問題が起きる場合 - iPhone や iPad で App とゲームをダウンロードする - Apple
(200MBを超えるファイルのダウンロードに関する記述があります)
https://support.apple.com/ja-jp/HT204266#download


Macのコンテンツキャッシュとは - Apple
https://support.apple.com/ja-jp/guide/mac-help/mchl9388ba1b/mac


ユーザー用のApple ID 作成しないで、iPhoneを管理してみた
https://www.peridot-green.com/2021/11/apple-id-iphone.html


Intune管理のiPhoneやiPadで、OSの強制バージョンアップをさせたい、でも最新化させたくない
https://www.peridot-green.com/2020/09/intuneiphoneipados.html